フローズン
低予算の映画にしては意外と楽しめた。![]() |
原題/Frozen
監督/アダム・グリーン
あらすじ
日曜日。ダン、ジョー、パーカーら若者3人は週末の3日間だけ営業しているスキー場に遊びに来ていた。夜、3人はスキー場の営業時間の終了間際に係員に無理を言ってリフトに乗せてもらう。しかしその直後、交代した係員の勘違いによりリフトは停止し、ゲレンデのライトもすべて消灯する。3人はリフトの上に置いてけぼりになってしまった。
外は極寒、地上からリフトまでの高さは15メートル、スキー場の次の営業日は1週間後。絶望がはじまった。

出演
ケヴィン・ゼガーズ=ダン・ウォーカー
ショーン・アシュモア=ジョー・リンチ ダンの親友
エマ・ベル=パーカー・オニール ダンの彼女
感想
※ ややネタバレがあります。「オープンウォーター」という、若い男女が身ひとつでサメがうようよいる海のド真ん中に投げ出される映画があるのですが、本作はそれのゲレンデ版とも言える映画ですね。
本作は公開当時にあまり期待をせずに鑑賞したら意外と面白かった記憶があり、先日ふともう一度見たい衝動に駆られ、今回数年ぶりに改めて鑑賞しました。
最初こそ「すぐに助けが来るさ」と割と楽観的だった3人が話が進むにつれて事態の深刻さに気づき、精神的(不安や恐怖)・肉体的(寒さからくる凍傷、体力の低下)に少しずつ追い詰められていくさまがなかなかにリアルで、低予算映画とは思えないくらいに楽しめました。
例)パニックのあまり口論をする、泣き叫ぶ、「お前のせいだ」とお互いに相手を責める、凍傷でほっぺたが真っ赤に腫れあがる、リフトを握っていた手がいつの間にか凍りついていた、など。

で、リフトから強引に手を離そうとしたら手のひらの皮膚がベロっとはがれると。(ここの描写はものすごく痛そうでした)
まあそもそも、氷点下のなか素手で金属を長時間握り続けるという行為自体がどうなのよって話なのですが、そこを突っこむのは野暮ってもんです。
登場人物の3人が「最初こそただのバカな若者なものの、話が進むにつれてそこまで悪いやつではなく、良いところもあるのが分かる」というのも、見ている側が「何とか助かってほしいなあ」と感情移入する余地があって良かったです。
そして、私がこの映画を見ていて1番怖かったのは中盤での以下のシーンです。
このままリフトの上で待っていても凍死するだけなので、彼氏(ダン)が助けを呼びに行こうと地上15メートルの高さにあるリフトから飛び降りる。
↓
着地の際に骨折し、足の骨がひざを貫通(開放骨折)し、大量に出血。
↓
大ケガのため身動きができないダン、血のにおいを嗅ぎつけてやってきたオオカミの群れに生きたまま喰い殺される。

スキー場のすぐ近くにオオカミがいるってどうなのよとかは言っちゃダメ。
まず、ダンが着地時に骨折するときに「ボキっ」という骨が折れる音や骨が皮膚を貫通する音がリアルで、聞いているだけで痛かったです。その直後に足の骨がひざから飛び出しているところがアップになる(微グロ)のもキツかったです。
その後のオオカミに喰い殺されるシーンでは、食べられている瞬間の映像こそ出ないものの、リフトの上で泣いている2人をバックに、ダンの悲鳴や咬みつかれて「ごぽっ」と血を吐いているなどの音が10数秒間にわたって聞こえてきます。
このシーンは精神的にくるものがあり、かなりキツかったです。

以上、B級感あふれる低予算の映画ではあるものの、なかなかに見どころが多く、個人的にはお気に入りの映画です。
とはいえ、そもそも地上15メートル(マンションの4〜5階くらいの高さ)のリフトから飛び降りること自体が無謀だとか、飛び降りるにしても「3人の上着やズボンを結んでロープ代わりにしてもうちょっと低いところから飛び降りるとか、もっとやりようがあっただろう」など、突っこみどころは山ほどあるので、そのあたりを受け入れることができるかどうかで好みが分かれる映画だとは思います。
作品オススメ度 ランク外・バカ
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