花よりもなほ
見終わった後にやさしい気持ちになれる、ほのぼの人情劇。![]() |
監督・脚本/是枝裕和「誰も知らない Nobody Knows」
あらすじ
映画は元禄15年(1702年)、赤穂の浅野家がとり潰しとなった松の廊下事件から1年後の江戸から始まる。下町長屋に住む浪人の宗左は、亡き父の仇を討つために江戸へやってきたものの、何の手がかりもつかめず、3年が経とうとしていた。しかもこの男、人を斬ったことがない上に、何よりも弱っちいのである。出演
岡田准一=青木宗左衛門
宮沢りえ=おさえさん
古田新太=貞四郎
田畑智子=おのぶ
感想
ほのぼのとした人情劇ですね。岡田クンや古田新太、國村 隼、香川照之など、個人的に大好きな俳優がたくさん出演していたので、私はそれだけでお腹いっぱいになれました。宮沢りえ扮する未亡人のおさえさんはフェロモンムンムンです。たまりません。年頃の女の子・おのぶを演じた田畑智子もかわいいです。
っと、この映画でもっとも印象的だったところは、武士と農民の価値観の違いです。
主人公の宗左は仇討ちに燃える武士です。一方、農民の貞四郎ら長屋仲間はそんな宗左とは正反対で、終始「今時、仇討ちなんてバカじゃね?流行らないよ?そんなことよりも、もっと毎日を楽しもうよ〜」というスタンスなんです。
そんな彼らを見ていると、ある人にとってすごく大切に思えることって、他の人から見たら大したことがなく、滑稽に見えることもあるんだろうなあと思いました。
毎日ご飯を食べていくことが精いっぱいの農民からすれば、本作で描いている武士の生き様だの誇りだのは意味のない、くだらないことに見えるんでしょうね。
日本人にとってはごく普通のことである「残業や休日出勤が当たり前の労働環境」が外国の人からすれば「オー、日本人働きすぎ。オー、日本社会クレイジー」と思うのもこういうことなんだろうなあと思います。
本作はそんな「なんか色々根詰めてるけど、まあ、そんなに頑張りすぎなくてもいいんじゃない?」と、元気をもらえる映画かな?と感じました。疲れたときに見るといいかもしれませんね。
作品オススメ度 ★★☆ 楽しめた
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