片腕カンフー対空とぶギロチン
「ちょ・・」再生した瞬間に後悔することウケアイのバカ映画。![]() |
英題/One Armed Boxer vs the Flying Guillotine
監督・脚本・製作/ジミー・ウォング
1972年の映画「片腕ドラゴン」の続編。
あらすじ
18世紀、満州族の清朝が漢民族を支配していた時代。漢民族の復興を目指す武士は清朝が送り込んだ武術家により、弾圧されていた。清朝最強の刺客・ギロチン使いの封神(フンシェン)は、2人の愛弟子を凄腕の武術家・片腕ドラゴンに殺される。怒れる師匠の復讐が始まった。
一方、当の片腕ドラゴンは、達人たちが集まる武術大会を見学していた。
出演
ジミー・ウォング=片腕ドラゴン
カム・カン=封神(フンシェン)
ドリス・ルン=シャオティエン(小娘)
シャム・チンボー=ムエタイ男
ワン・ウィンサン=ヨガ男
感想
この映画はあのタランティーノも絶賛し、彼の映画キル・ビルVol.1に登場するGOGO夕張(栗山千明)が持っている鉄球みたいな武器は、本作の武器「空とぶギロチン」のオマージュなのだとか。ギロチン師匠が登場するシーンで流れるテーマ「Super 16 (Excerpt)/Neu! youtube」もキル・ビルで使用されています。
そんな本作は、タランティーノが大好きというだけあって、イチイチ突っこむのがバカらしくなるくらいに何でもアリのB級大バカ映画です。
まず、冒頭で2人の弟子が伝書鳩にて師匠に託した遺言からしてスゴいんです。
遺言「師匠がこの手紙を読むころには、私たちは片腕ドラゴンに殺されているでしょう。私たちは片腕ドラゴンに挑んだものの、返り討ちにあってしまいました。仇を討ってください!」以上、本編字幕より引用
よく考えると、自分が死ぬかもしれないと思って書いている手紙なのに、手紙の中で書いている本人が死んでいるという、とてつもなく高度な文章テクニックが使われています。
その上、自分が弱いから負けたクセに、いけしゃあしゃあと「仇を討ってください!」なんて「甘えんなコラ」って話ですよね。

愛弟子を失った悲しみのあまり自分の家を爆破してしまったギロチン師匠。
最初から最後まで、このハイレベルな掴みから抱かせる「やっちまった感」を裏切ることなく、徹底的にアホらしいノリで苦笑いさせてくれます。
拳を突き出したり足を蹴り上げただけで「ボウッ!」「ブウンッ!」と仰々しい音がなったりと、効果音がイチイチ大げさです。
主人公の片腕ドラゴンは、どっちが主人公なのかわからないくらいに卑怯な戦法をためらいなく使います。主人公以外の武術家もみんなたいがい卑怯です。
壁歩きやストUのダルシムみたく腕が伸びるなど、ありえない武術の数々も楽しめます。
とまあ、よく考えなくてもわかるくらいにちっとも面白くありませんし、ほとんどの人は、DVDメニューを開いた瞬間に流れるチープなBGMを聞いた瞬間に後悔すると思います。
なので決しておすすめはできないのですが、B級映画好き、タランティーノ映画好きなら、いかがでしょうか。
ちなみに、日本が勝手に本作の続編として国内公開した「盲(めくら)坊主対空とぶギロチン」という台湾の映画もあるそうです。

うっかり片腕の一般人を殺めてしまいました。目が見えないんだから仕方ありませんね。
作品オススメ度 ランク外・バカ
関連作品 見終わった後になーんも残らないバカ映画。
片腕マシンガール
13日の金曜日 ジェイソンNYへ
パラサイト
アドレナリン
沈黙の逆襲
洋画アクション〜へ|ランク外・シリーズまとめへ
<Amazon>
・片腕カンフー対空飛ぶギロチン [DVD]
・片腕ドラゴン デジタル・リマスター版 [DVD]
・世界の拷問・処刑事典