ランド・オブ・ザ・デッド
「ゾンビが知能を持ったらどうなる?」答えは簡単、人間よりもはるかに強くなった。![]() |
原題/Land of the Dead
監督・脚本/ジョージ・A・ロメロ
音楽/ラインホルト・ハイル、ジョニー・クリメック
なんちゃらオブザデッドシリーズ
あらすじ
ゾンビは人を襲い、咬みつかれた人間や死んだ人間もまた、ゾンビとなる。彼らを倒す方法は頭部を破壊するだけである。ゾンビだらけとなった世界では、人々は「以前と変わらない豪華な暮らしをするセレブ」と「いつ襲われるかわからない危険あふれるスラム」で暮らす一般人にわかれていた。食料品を調達する傭兵部隊を率いるライリーは、そんな毎日にウンザリし、人もゾンビもいないカナダへ行こうとする。出演
サイモン・ベイカー=ライリー
デニス・ホッパー=カウフマン/街の権力者
ジョン・レグイザモ=チョロ/ライリーの部下
ロバート・ジョイ=チャーリー/ライリーの仲間
アーシア・アルジェント=スラック
ユージン・クラーク=ビッグ・ダディ/ゾンビの親玉
感想
本作は「ゾンビ映画界の教祖的存在」とも言われるジョージ・A・ロメロ監督の作品で、特典のメイキング映像によると、彼はその時の社会情勢を投影した映画作りをするそうです。私は公開当時のアメリカの社会情勢についてはほとんど知らないのですが。
至るところで見られる「貧富の格差」や「利用されるだけ利用されて使い捨てにされる人たち」には、「どこの世界でもこういうことはあるんだろうな・・」という、何ともいえないもどかしさを感じました。
こういった描写や、登場人物それぞれに魅力的な個性があるので、単なるホラーとしてだけではなく、映画としても楽しめました。
・仲間思いの主人公ライリーはとにかくいい奴で男前。そして何よりも強いです。2丁拳銃をかまえた姿がキマっています。
・デニス・ホッパー演じる権力者カウフマンは清々しいくらいに嫌なヤツです。口先だけで、常に自分のことしか考えていないのがいいですね。
・ライリーの護衛をするチャーリーやとにかくセクシーなスラックなど、他のキャラも魅力たっぷりです。
人間だけではなく、ゾンビも頑張っていました。
知能に目覚めたゾンビは銃の扱いを覚えたり、川に飛びこんだり、チームワークを駆使して人間を襲ったりと、けっこうな強さでした。
ただ強いだけではなく、彼らの親玉ビッグ・ダディに至っては、仲間が殺された(退治された?)時に叫び声を上げて怒ったりと、人間らしい感情表現を見せてくれます。
「明るい光に集まる」というどこかコミカルさを感じるゾンビの習性もいいですね。

みんなで仲良く川を横断中。真ん中の黒人がビッグ・ダディ。
目玉を引きちぎったり、お腹の中のモノをデロデロ引きずり出したりと、それなりにグロい描写はありますが、ゾンビマニアでない人でも楽しめると思います。
個人的には、開始50分すぎに登場する首なしゾンビの「華麗すぎるフェイント攻撃」がツボでした。
作品オススメ度 ★★☆ 楽しめた
関連作品 ホラー。
ゾンビランド 感動。
ドーン・オブ・ザ・デッド 走るゾンビ。
エスター 少女が怖い。
洋画サスペンス〜へ|★★☆へ
余談
本作にはイギリスのゾンビ映画ショーン・オブ・ザ・デッドの監督エドガー・ライトと主演のサイモン・ペグがゾンビ役でカメオ出演しているそうです。開始25分から30分ころの見世物小屋のシーンで登場するゾンビらしいのですが、私にはゾンビメイクが秀逸すぎて、誰が誰やらさっぱりわかりませんでした。

右がサイモン・ペグ。エドガー・ライトは・・どんな人なんでしょう(汗
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