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ネバーエンディング・ストーリー

思い出補正のおかげである程度は楽しめたんだけど、あのラストだけは許容することができない。

DVDジャケット
1984年/アメリカ/94分/ファンタジー
原題/The Never Ending Story
監督/ウォルフガング・ペーターゼン
主題歌/リマール「The Neverending Story」

あらすじ

主人公バスチアンは母を失くし父と2人で暮らしている、空想が趣味の内向的な少年である。
ある日、バスチアンは学校のいじめっ子から逃げるため、隠れるために入った本屋で「ネバーエンディングストーリー」という不思議な本と出会う。
本屋の店主はバスチアンに「普通の本は読んでいる間だけ物語の世界に入ることができる。読み終わったら現実に戻る。しかし、この本は違う。この本は危険だ」と警告する。
本を手に入れたバスチアンは、学校の屋根裏部屋で本を読み始める。

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出演
バレット・オリバー=バスチアン
ノア・ハザウェイ=アトレーユ
タミー・ストロナッハ=幼ごころの君(女王)

感想

ミヒャエル・エンデ原作の小説「はてしない物語」の前半部分を映像化した作品。大まかなあらすじは以下のとおりです。


「虚無」が広がり、滅びようとしている世界・ファンタージェン。世界を救うためには女王の力がいる⇒女王は重い病気で命の危険がある⇒女王を救うため、しいてはファンタージェンを救うために選ばれた勇者・アトレーユが旅立つ。

主人公の少年バスチアンは「ネバーエンディングストーリー」を読むことでアトレーユの冒険を自分のことのように追体験する。


本作は「少年がファンタジーの世界を冒険する」というワクワクする内容とテーマ曲の素晴らしさもあってか、子供のころにTVで放映されているのを何度も見た記憶がある、グーニーズスタンド・バイ・ミーと並んで個人的に思い入れのある映画です。(私は80年代前半生まれです)

ネバーエンディング・ストーリー テーマ曲 The Neverending Story - Limahl(youtube)

そんな本作ですが、最近ふともう一度見てみたい衝動に駆られ、20数年ぶりに鑑賞してみました。というわけで今回は大人になった今、改めて「ネバーエンディング・ストーリー」を鑑賞した感想を語っていきたいと思います。

※ このレビューにはかなり本作をコキ下ろした表現があります。また、内容についてのネタバレもあります。お読みになられる場合は、その点をご理解いただいた上で読み進めていただければと思います。











堅苦しい注意書きが終わったところで、感想。

30年以上も前の映画かつ、もともと子供向けに作られている内容ということもあってか、映像は古臭いですし、ストーリーも「大人になった今見るには、やっぱりちょっと物足りないかなあ」と感じました。

とはいえ、そこに文句を言うのは野暮ってものですし、本作はそういったところを含めての懐かしさを楽しむことにこそ醍醐味のある映画だと思っていますので、映像の古臭さや子供向けの内容についてはそれほど気になりませんでした。

岩を食べる岩石の巨人ロック・バイターや高速で走るカタツムリといった独創的な生き物の数々は「おおー、こんなんいたいた!懐かしいなあ」という気持ちになり、見ていて楽しかったです。

2
ロック・バイター。CGなんて使っていない時代にもかかわらず、けっこう滑らかに動いていたので驚きました。


3
ファンタージェン世界の住民たち。出番が少なかったのが残念。


4
何でも知っているカメこと「生きた化石モーラ」。TVゲーム「ファイナルファンタジー5」に登場する亀の賢者ギードはこいつが元ネタだったりするのでしょうか。


まるで絵本の世界を映像化したかのような、ファンタージェンの幻想的な雰囲気も良かったです。

5
女王(幼ごころの君)のいる象牙の塔。美しいです。


6
塔の内部で偉い人からド○クエの王様風に「では旅立つのじゃ勇者アトレーユよ!」と言われている図。
左上(顔でか!)と右(魚)にいる生物のデザインをした人にとてつもないセンスと狂気を感じます。右の魚は柴田亜美(南国少年パプワくんの人)の漫画に出てきそう。


7
きれいな景色だなあ。


8
本作屈指の名場面、アトレーユの愛馬アルタクスが沼に沈むシーン。


・・・なのですが、子供のころは「ものすごく悲しいシーンで泣きながら見ていた記憶がある」のに、大人になった今、改めて見たら馬が思っていたよりもあっさり沼に沈んで拍子抜けしてしまいました。

アルタクスを失ってアトレーユ号泣、バスチアン少年ボロ泣き、私「あれっ?もう沈んだの?はやっ」みたいな感じでした。

そもそもこの馬、冒険が始まってしょっぱな・・・見ているコチラが感情移入するほど愛着がわいていないうちに沈むので、悲しみようがないんですよね。

人の記憶ってあてにならないものですね。


9
ラッキー・ドラゴンことファルコン。顔がかわいい。

子供のころ、こいつの背中に乗って空を飛んだら気持ち良いだろうなあと妄想したことがあります。今はビルの屋上から空を飛びたいなあと思うことがしばしばあります。


ひとしきりの感想を述べたところで、本作を見ていて思わず「はあ?」と突っこみたくなった点を指摘していきたいと思います。ここから先は思いっきりネタバレです。


本作で納得ができなかったところ(3つ)
1.象牙の塔の偉い人の言動がいろいろとひどい。
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物語の序盤でアトレーユに旅立ちを命ずる象牙の塔の偉い人の言動がいろいろとひどかったです。

以下はこのおっさんのひどかったところです。


・頭の形がおかしい。(中にアーモンドとかが入ってそう)
・世界が滅びそうなのに自分は何もしようとせず、女王に世界を救ってもらおうとする。(他力本願)
・女王は重い病気で命が危ない(=世界を救うどころではない)から、まずは女王を助けるために「最後の希望だ」とか言ってアトレーユを呼び出す。(他力本願その2)
・実は、アトレーユを呼び出したのはこのおっさんではなく、女王。
・つまり、このおっさんは何もしていない。
・そのクセして自分の元を訪れたアトレーユをただの子供と勘違いし、「子供に用はない、帰れ」と言い放つ。
・アトレーユの素性を知るなり、手のひらを返したように態度が変わる。
・アトレーユに対してなぜか上から目線で「女王の病を治す薬を探す旅に出るのじゃ」。(なんで頼んでる側が上から目線で命令するの?お前が行けば?)

ちょろっとだけ登場して、自分は何もしないクセに偉そうなことを好きなだけ言って去っていく。

まあここまでは「ファンタジーものに登場する偉い人なんてたいていこんなものですし、このくらいはある種の様式美」と思えばまだ許容範囲です。

しかし、このおっさんがこの後アトレーユに「1人だけで、武器を持たずに旅に出るのだ。危険な旅になるぞ」と言うところだけはさすがに何を言っているのか意味が分かりませんでした。

アトレーユは決して財宝やお宝を手に入れるために難解な試練に挑戦するとかではありません。女王の命を、しいてはファンタージェンの世界を救う旅に出ようとしているだけなのに、なんでそんな危険で大変な旅にたった1人で、しかも丸腰で旅立たないといけないんだと。

ケチで有名なドラ○エ3のアリアハンの王様でさえ申し訳程度の軍資金(50ゴールド)といくつかの装備品を支給してくれるというのに、武器は禁止、仲間も禁止とかお前はなんなんだと。

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でその直後、愛馬アルタクスの背に乗って旅立つアトレーユ君。「仲間は禁止」って馬はいいのか。むしろ馬こそがアトレーユの最も大切な仲間じゃないのか。

「馬は仲間に含まれません」という驚愕の事実が判明した瞬間です。
2.お告げ所で命がけの試練を受けなければいけない理由が分からない。
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「女王の病気を治す方法は、南のお告げ所に行けば教えてくれる」ということで、アトレーユはお告げ所を目指します。

しかし、お告げ所に行くためにはスフィンクスが立ちふさがる命がけの試練を突破する必要があります。

おかしくないですか、これ。

上述したとおり、アトレーユの旅の目的はファンタージェンの世界を救うことです。決して金銀財宝を手に入れて大金持ちになりたいとか、強力な武器を手に入れたいといった私利私欲によるものではありません。

それなのに、何が楽しくてスフィンクスにビーム(当たったら即死)で狙われなければいけないんだと。

お告げ所の人だって世界が滅んだら困るはずでしょうに、試練だか何だか知りませんが、そんな下らないもので真面目に世界を救おうとしている人の命を奪おうとするとか、もう意味が分かりません。

もちろん、どんなエンターテイメント作品にも多少の突っこみどころや矛盾があるとは思います。そういったものがあるのをある程度は分かった上で、許容した上で作品を楽しむのが当たり前だとも思います。

しかし、先ほどの「丸腰で旅に出ろ〜」のエピソードやお告げ所の試練についてはどうにも理解に苦しみます。
3.本編ラストでバスチアンがやったことが最低。
主人公の少年バスチアンは終盤でファンタージェンの世界を救うのですが、その後ファルコンを現実世界に召喚し、ファルコンの力を借りていじめっ子に仕返しをするんですね。

いじめっ子に仕返しができて満面の笑顔のバスチアン少年のカットの後にナレーションが流れ、映画はそこで終わります。

このラストは私が本作を見ていて最も不快に感じたシーンです。

まず、他人の力を借りて仕返しをしようとする(=自分は何の努力もせず、ハナっから人の力をアテにして何かしらの物事を達成しようとする)っていうのが人としてダメですし、自分よりも圧倒的に弱い相手を一方的にいたぶって楽しむとか、最低にもほどがあります。
(というか、ファルコンもノリノリで加担するなよ・・。そこは「それは自分の力ですることだ」とか言ってハッキリと断ろうよ)

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いじめっ子に仕返しができてご満悦のバスチアン君。でも、君がやってることはいじめっ子と同じか、それ以上にゲスな行為やからね。



ちなみに、TVアニメ「機動戦士Zガンダム」の序盤(第2話だっけか?うろ覚え)でも似たようなシーンがあります。
(ガンダムに乗った主人公の少年が生身の人間をガンダムの武器で攻撃)

また、序盤ならまだしも、物語のラストでこういうアホな描写があるということは、主人公バスチアンはネバーエンディングストーリーを読むことで「あれだけ大変なアトレーユの冒険を自分のことのように追体験した」にもかかわらず、当の本人は精神的になんの成長もしていないということです。

彼のことを一応フォローしておきますと、中盤で読書中のバスチアンが食事をとろうとしたときに「まだまだ旅は続くんだから、この食事は全部を食べずに今後のためにいくらかは残しておこう。アトレーユが頑張っているんだから、僕も頑張らないと」といった、前向きに努力しているシーンもあるにはあるんですね。

しかし、このラストです。

この最低なラストには、バスチアンのけなげな努力とか、彼がこれまでの長い冒険で得られたであろうもの(勇気とか根性とかそういうの)をすべて台無しにしてしまう破壊力があります。

それこそもう「この冒険の意味は何だったの?」と言いたくなるくらいです。

このラストシーンについては原作者のミヒャエル・エンデも激怒したらしく、裁判にもなったそうです。

参考:ネバーエンディング・ストーリー - Wikipedia


今さら言っても仕方がないことではあるのですが、バスチアンがいじめっ子に仕返しをするにしても、自分の力で何とかしようとするような描かれ方だったら良かったのになあと思います。

以上、子供のころにワクワクしながら見た懐かしさに浸りながら気分良く鑑賞するつもりが、まさかこんなに作品をコキ下ろすようなレビューになるとは思いませんでした。

小さいころに好きではなかった食べ物が大人になってからおいしく感じるようになった経験は何度かあるのですが、その逆はできるだけしたくないよなあと思った、30代男の予定のない休日の1日でした。

休日を丸1日使って、30年以上も前の映画についてあーだこーだとこのページの文章を書いていました。人生っていったい何なんでしょうかね。


最後に、yahoo知恵袋で私と同じような感想を抱いている人を見つけたのでリンクを貼っておきます。(というかこの質問者の文章がムダに面白いw)
初めてネバーエンディングストーリー1を見たんですが - これが評価高い理由っ... - Yahoo!知恵袋


作品オススメ度 ★☆☆ イマイチ

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13日の金曜日8 ジェイソンN.Y.へ

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トップへ|ページ上部へ|投稿日:2015/12/13

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