オープン・ウォーター
「海のド真ん中に置き去り」というだけで怖い。![]() |
原題/Open Water
監督、脚本/クリス・ケンティス
製作/ローラ・ラウ
音楽/グレーム・レヴェル
あらすじ
仕事に追われ、すれ違いぎみのダニエルとスーザン夫婦は、ようやく取れた休暇でカリブ海のリゾート地へ旅行に行く。翌朝、午前9時45分。2人はツアー用のダイビングボートから海に飛び込み、水深18メートルの海域でスキューバダイビングを楽しんでいた。
午前10時25分。2人が海上に上がってきたとき、ボートの姿はなかった。ボートのスタッフの点呼確認ミスにより、すでにボートは出発してしまっていたのである。
ダニエルとスーザンは海のド真ん中に置き去りにされてしまった。

deathよねー。
出演
ブランチャード・ライアン=スーザン
ダニエル・トラヴィス=ダニエル
感想
1998年、ダイビング中に行方不明になった夫婦の話を元にした映画。本作は公開当時に一度観たのですが、先日無性に観たくなり、改めて鑑賞しました。製作費約12万ドルという、頑張れば個人でも製作できそうなくらいの低予算映画だけあり、映像はチープなのですが、そんなことが気にならないくらい怖かったです。
話が進むにつれて少しずつ状況が緊迫&悪化していくところと、それに伴い2人の心情が変化していく描写が上手くシンクロしていました。見ていて気が滅入ってくるくらいの絶望感がありました。
・2人の状況
海上には自分たち以外誰もいない、何もない⇒いつの間にか海流に流されている⇒クラゲに刺される⇒サメに足を噛まれる⇒何も見えない夜の海で雷雨に遭う、など。
・2人の心情
「あれっボートがないぞ、合流場所を間違えたかな?」⇒もしかして漂流してる?⇒おいちょっと待てよふざけんなコラ、なんで俺たちがこんな目にあわなきゃいけないんだ⇒「お前のせいだ」「あなたのせいよ」⇒「愛してる」「僕もだ」
途中で何度か船を見かけるけど、そのどれもがこちらに気づくことなく通り過ぎていく描写では「助かりそうで助からない」という絶望感が上手い具合に表現されていました。
2人の心情の変化はこの手の映画ではありきたりですが、極限状態に陥った人間の心理が上手く描写できていました。

ダニエルのストレスが限界を振り切って頭がおかしくなった瞬間。私は仕事で疲労困憊な時なんかに大声で叫びたくなることが割とよくあります。ありません?
一方、ストーリーなんてあってないようなものですし、映画はほぼ海上に浮かんでいるダニエルとスーザンのみで進行するので、やや単調な感じがするのは否めません。
「夜の海で雷雨に遭うシーン」が一瞬で終わってしまったのも残念です。夜の海って浜辺から見てるだけでも怖いので、雷雨に遭うシーンの尺がもう少し長ければ、海のド真ん中で漂流する恐怖をより上手く表現できたんじゃないかなと。
以上、気になるところはあるものの、低予算で製作された映画としては十分すぎるくらいのデキで、思っていた以上に楽しめました。79分と気軽に鑑賞できる長さなのもグッド。海が舞台のホラー映画が観たいときにおすすめしたい1本です。

本作に登場するサメは、すべて本物のサメを使って撮影したものだそうです。
作品オススメ度 ★★☆ 楽しめた
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本作 |
本作が好評だったからか、派生作品がいろいろ製作されているみたいです。赤い珊瑚礁の評判が妙に良いのが気になる・・。
そのヌードは本当に必要なのか
サービスシーンなのか、本編冒頭でスーザンがベッドに素っ裸でくつろいでいるシーンがあります。しかし、本作の内容を考えると、仮にサービスだったとしてもそのヌードは別になくてもよかったんじゃない?と思いました。そもそもこのシーン、ちっともエロくないですし。
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