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オルカ 

泣いたり叫んだり怒ったり、人間のような表情を見せるオルカを見ているとついつい感情移入してしまう。

DVDイメージ
1977年/アメリカ・イタリア/92分/パニック
原題/Orca
監督/マイケル・アンダーソン
音楽/エンニオ・モリコーネ「ニュー・シネマ・パラダイス」

あらすじ

オルカは一夫一妻制で、1度夫婦になると死ぬまで添い遂げるという。
北米、ニューファンドランド島。漁師ノーランは借金返済のためにオルカを生け捕りにしようとするが、誤って妊娠中のメスとそのお腹の中にいる子供を殺してしまう。
「妻よ、娘よ、カタキは討つ」。妻子を失ったオルカは、泣き叫びながらノーランをにらみつける。

1

2

出演
リチャード・ハリス=ノーラン
シャーロット・ランプリング=レイチェル / 海洋学者
ウィル・サンプソン=ウミラク
ピーター・ホーテン=ポール
ボー・デレク=アニー

感想

海の王者、英名でキラーホエール(Killer Whell、殺し屋クジラの意)と言われる「オルカ」が題材の海洋パニック映画。

「海が舞台の映画が見たいな〜」と物色しているときに「妻子を殺され、独り(一匹)残されたオスのオルカが人間(主人公)に復讐をする」という内容に惹かれ、鑑賞しました。

30年以上も前の映画ということもあり、映像こそ古さを感じるものの、メスのオルカとその子供を殺してしまった主人公ノーランの後悔や葛藤、復讐鬼と化したオルカの縦横無人の活躍、シリアスなストーリーなど見どころが多く、かなり楽しめました。

それこそ、もうB級モンスター映画とは思えないくらいに・・・というか、「ダンナ、これは海洋パニックムービーの隠れた名作ですぜ!」とでも言いたくなるくらいに面白かったです。

ただ単に「モンスターを成敗してめでたし、めでたし」という映画ではなく、「どちらかというと、人間よりもオルカに肩入れしたくなる」悲しいお話ですね。


では以下、印象に残ったところを簡単にまとめ。


・主人公(ノーラン)を執拗に狙うオルカが鬼のように強い。
・ノーランは最初こそお金目当てだったものの、メスのオルカを殺してしまったことを後悔している、狙われているのは自分だから仲間だけでも逃がそうとするなど、決して悪人ではない。
・上記の点から、オルカだけではなく、ついついノーランにも感情移入してしまう。
・そのため、オルカだけを応援するのも・・・となる。
・オルカとノーラン、どちらが勝っても(ストーリー的にも、視聴者側の心情的にも)ハッピーエンドではない。

などなど、印象に残ったところを挙げるとキリがないのですが、何といっても、オルカが仇であるノーランを安全な陸地から自分の領域である海へおびき出すためにとった行動がすごかったです。


・港に停泊している関係ない漁船を沈める、港付近の施設を攻撃するなどして、ノーランが他の漁師のひんしゅくを買うようにしむける。それも執拗に。
・ノーランの目の前で大ジャンプをする、鳴き声での威嚇など、挑発もたっぷり。
・結果として、ノーランは他の漁師に「お前がいると迷惑だ」と、町を追い出されるような形でオルカとの決戦へ向かうことになる。

3
よく見るとオルカの瞳の中に主人公が映っています。睨みつけるような演出が怨みの深さを物語っているように感じました。


4
ノーランはオルカと戦うしかない状況に追い込まれてしまう。


音楽も良かったです。巨匠エンニオ・モリコーネ奏でる、壮大かつ静かな楽曲は映画の悲しい雰囲気にバッチリ合っていました。

ポルターガイストオーメン、エイリアンなど、本作と近い時期に公開された有名どころのホラー映画に比べると知名度こそ低いものの、内容は決して見劣りしません。個人的にはもっと評価されてもいいんじゃないかな、と思えるくらいに楽しめました。

古い作品なので、今見るとどうしても時代の流れは感じますが、機会があればぜひ一度。

5


作品オススメ度 ★★★ おすすめ

関連作品
ディープ・ブルー サメの頭脳プレイ
沈黙の鎮魂歌 セガール「妻よ、娘よ、カタキは討つ」
ゴジラ(1954年) 人間の身勝手さ
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ゴーストシップ 漂流船

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サントラ

何ですか、このセンスあふれるジャケットは!(特にサントラ)

あるあるネタ

シリアスな展開ばかりかと思いきや、ホラー、パニック映画におけるあるあるネタも。なお、下記画像の人たちがこの後どうなるのかはお約束。

6
海洋パニック映画では、船から身を乗り出してはいけない。(そのセリフもダメだよ!)


7
だから、船から身を乗り出すなとあれほど(以下略


8
バカ、やめろ

余談:オルカ(シャチ)の生態について

オルカの生態について本編で解説されていたので、その一部を抜粋。
・地球上 最も強力な生き物 シャチです。
・温血の哺乳類で世界中に生息。
・ラテン名はオルカ・オルシナス「死を招く者」を意味します。
・流線形の体と強じんなヒレによりクジラ類の中で最速です。
・成長したオスは体長9メートル 体重6トンほど。
・14メートルになった例もあります。
・子供を思う親心は人間より強いほどで、復讐心も人間に負けません。
・知能については研究中ですがかなり優れています。
映画のタイトルは「オルカ」なのに本編の字幕では「シャチ」と呼ばれているのが気になりましたが、解説自体は分かりやすいですね。

ただ、ウィキペディアには最大級のオスの体長が9.8メートルとあるので、仮に発見されていないだけでそれ以上の大きさの個体がいたとしても、上記の「14メートルになった例もある」というのはさすがに大きすぎると思いました。

これについては「オルカの強大さを表現するためにつけられた映画オリジナルの設定」といったところでしょうか。(自信はありませんが)

もしかすると、上記の「14メートルになった例」というのは、古代に生息していたとされるサメの一種・メガロドン(体長の推定値が10メートル以上)を意識しての設定なのかもしれませんね。

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左下が人間、右下がシャチの脳。人間と同じくらいの大きさで、シャチは頭が良いと言われるのも納得。とはいえ、シャチの体の大きさを考えるとそれほど大きいわけでもないのかな、とも感じました。

単に人間の脳が大きすぎるだけなのかもしれませんが。

余談2:本編でどうしても気になったこと

終盤でノーランがオルカにダイナマイトを投げようとし、それを海洋学者のレイチェル(ヒロイン)が「爆破はやめて!」と意味不明なことを言いながら阻止するシーンがあります。ファイ○ルファンタジー2のヒロインなら、ノリノリで「ばくはしましょう!」と言ってくれるのに

ここでノーランがダイナマイトを投げていればオルカとの決着が(ほぼ間違いなく)ついていたはずなのに、私にはなぜヒロインがノーランの邪魔をしたのかが分かりません。しかもそのせいで直後に犠牲者が出ています。

上記のシーンもそうなのですが、本作のヒロインの行動は男の私には理解しがたいものが多かったです。

決して女性を軽視するつもりはないのですが、このヒロインにだけは「漢(おとこ)同士の戦いに女が出てくるな!」と言ってやりたくなりました。(女性の方、すいません!)

余談3:ジョーズを意識している?

本作の2年前に公開されたジョーズ(1975年)が大ヒットしたこともあるのか、本編の冒頭でジョーズを意識したかのようなシーンがありました。

内容は「オルカが大型のサメ(おそらくジョーズと同じホホジロザメ)を体当たりで瞬殺する」というものです。

私はこのシーンに製作陣の「どや、サメよりもオルカのほうが強いんやで!」とでも言いたげな大人げなさを感じ、思わず笑ってしまいました。

10
やめたげてよぉ!


オルカの骨格
ネットでよく見かける、オルカの骨格画像。強い(確信)。


サメの骨格
サメの骨格。勝ち目なんてなかった。

余談4:水族館のシャチやイルカはどこから連れてくるの?

気になったので調べてみたところ、大きく分けて以下のパターンになるようです。

・海で捕まえる(イルカは日本近海に多い?)
・偶然網に引っかかってしまったものを保護する。
・海外から取り寄せる、逆にこちらから送るなど。

ちなみに、シャチは一頭あたり1億円とも、5億円するとも言われています。とんでもない金額ですが、捕獲の難しさや輸送にかかる費用を考えると、そのくらいしてもおかしくないのかもしれませんね。


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トップへ|ページ上部へ|最終更新日:2017/5/11

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