スパイダーパニック!
「細かいことはいいんだよ」とでも言わんばかりのテキトーさ加減が素晴らしい、ベッタベタのB級モンスタームービー。![]() |
原題/Eight Legged Freaks
監督・脚本/エロリー・エルカイエム
音楽/ジョン・オットマン
製作総指揮/ローランド・エメリッヒ
あらすじ
アメリカ、アリゾナ州の小さな田舎町。ある日、とあるトラックドライバーが有毒廃棄物の入ったドラム缶を池に落としてしまった。池の近くに住むクモマニアの男・ジョシュアは珍しいコオロギを発見した。ジョシュアはクモ好きの少年マイクに「コオロギをあげたらクモが大きくなったこと」を嬉しそうに説明する。
しかし、その間に一匹のクモが虫カゴの隙間から逃げ出していたのであった。
出演
デヴィッド・アークエット=クリス・マコーミック
カリ・ウーラー=サム・パーカー/女性保安官
スコット・テラ=マイク・パーカー/サムの息子
スカーレット・ヨハンソン=アシュリー・パーカー/マイクの姉
ダグ・E・ダグ=ハーラン
感想
物語しょっぱなの・クモは雄が雌にプレゼント(エサ)を贈り、雌の気を引く。
・雌の方が強い。
・女はベッドの朝食が好きだ。
なあんて卑屈さあふれるネガティブな説明には、人間社会にも似たようなモノを感じると同時に、監督の過去に何があったのかを考えるとなんだか泣けてきました。
っと、話自体は、「とにかくクモが人を襲うだけ」「とにかくギャグで笑えばいい」という、実にシンプルなB級アホ映画です。
全部CGということはわかっていても、多種多様なクモは見ていて楽しかったです。
・逃げるバイクを猛スピードでジャンプしながら追いかけたり。
・キャンピングカーを転倒させるくらいに巨大なタランチュラが登場したり。
・糸で縛った人間を2匹で楽しそうにグルグル回したり。
・「ピキー!」というアホみたいな鳴き声を発しながら飛びかかってきたり。
などなど、製作者たちの「アホ映画をアホ映画として真剣に作りました」てな感じの潔い姿勢には、とても好感が持てました。
まだ逃げきれていない人がいるのに「ママ、早く早く!」と建物のシャッターを閉めたり、目の前で味方が襲われてるのに猛スルーしたりと、「細かいことはいいんだよ!」と言わんばかりのテキトーさ加減もステキです。
その中でも、最終盤で「爆炎が迫る中、ギリギリで脱出するシーン」での「どう見たって燃えてるやん」感がツボでした。
お母さん役のカリ・ウーラーと娘役のスカーレット・ヨハンソンは2人ともスタイル抜群です。この頃はまだ有名じゃなかったのか、スカヨハがちょっとしたお色気担当になっていました。
至るところに仕込まれた「くだらなさすぎて笑ってしまうギャグ」は好みがわかれるところですが、裸の銃を持つ男シリーズやフレディVSジェイソンあたりが楽しめた人なら大丈夫だと思います。

銃を持った瞬間に100発100中の凄腕ガンマンに豹変する主人公。ハリウッドではよくあることですね。
作品オススメ度 ランク外・バカ
関連作品
ロスト・イン・トランスレーション スカヨハの出世作。
スペル 恐ろしくも笑えるホラー。
13日の金曜日 ジェイソンNYへ 上に同じ。
ピラニア
ディープ・ブルー
洋画サスペンス〜へ|ランク外・シリーズまとめへ
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・スパイダー・パニック [DVD]
・おどろきのクモの世界―網をはる花にひそむ空をとぶ (子供の科学サイエンスブックス)
サントラについて
あまりにもダサいジャケットからは、かえって凄まじいまでのセンスを感じますね。このサントラ、リンク先で視聴する限りでは、ボーカル曲ナシのスコア盤のようです。
スコアを担当したのは蝋人形の館やユージュアル・サスペクツのジョン・オットマンです。中盤で「クモとバイクが鬼ごっこをするシーン」で流れたノリの良いギター曲は17曲目です。
Joey Deluxe/Itsy Bitsy Spider |
サントラ未収録のエンディングで流れる挿入歌。
日本では「静かな湖畔の森の影から」でよく知られているあの曲です。私は今回初めて知ったんですけど、元は英語の童謡で、「クモが家の雨どいをよじ登る」という内容の歌詞だそうです。